老いぼれエンジニアには隠す爪がない

この時代に老いぼれを見たら、「生き残り」と思え…!

FXのスワップ金利で儲かることはない

以前、超円安が進んだ時にFX業者(先物の為替版)が雨後のタケノコのように沸いたことがありました。
そして、そういう業者の広告塔として、たくさんのブロガーが登場しました。
ブロガーは、FX業者に客を集める、FX業者から報酬を受け取る。そういう構図でした。

私もアフィリエイトでFX業者を張ったことがありますが、自己アフィリエイト(自分で口座を作る)以外での成果が上がったことはありません。口座開設無料から逆におカネをあげるから口座を作ってくれというのまで、手を変え品を変え口座を作れと業者は頑張っていました。

これで儲かったのかどうかはわかりませんが、その時ブロガーが好んで用いた手口が「ローレバレッジで外貨を持ち続ければスワップ金利で必ずもうかりますよ!」(必ずとはさすがに言わないが)という口説き文句です。

これが最近復活しているような兆しがあるので、失敗者の一人として記事を書きます。

1千NZドルで5年間スワップ金利を貯めてみた顛末。不人気FXの低リスク運用術
http://moneyreport.hatenablog.com/entry/2013/11/20/170304

私は「為替王」というブログに騙されて(この人まだブログを続けてるんですね。すごい神経です。イケダハヤト先生もビックリ)、120円でドルをつかみ結局大損しました。100万円位ですかね?
もし今でもこのポジションをもち続けていて(レバレッジは1倍ではなかったですが、もち続けられるくらいの現金はありました)、スワップをもらい続けていたとしても、たぶんまだ損だったでしょう。だから辞めて正解だったと思います。

第一、資産の評価額が半額とかになって涼しい顔していられません。円安に戻すという保証はどこにもないのです。1ドル50円とか言われていた時期もありました。そうなれば完全にドボンです。

まあレバレッジ1倍ならドボンはありませんが心理的に耐えられるのかはなはだ疑問です。捨ててもいい程度の金額なら話は違うでしょうが・・・。

なんだテメーが損をした腹いせかといわれそうなんですが、その後勉強してこの「スワップで儲かる」というのが完全に嘘ということを理解したのでこの記事を書いています。

そもそも、スワップ金利がなぜ付くのかを考えればこれで得をすることはないということがわかります。
スワップ金利が付くのは通貨間の価値を補正するためです。

1年後のドルの価値と1年後の円の価値は、現在のドルの価値・円の価値とは当然違います。
そして、その両者が同程度に変化するとは限りません。日本がデフレ、米国がインフレなら当然、円の価値は1.2倍とかに対してドルの価値は0.8倍とかになります。

この差を調整するのがスワップ金利です。

スワップ頼みのほったらかし投資は、結局その成果は入ったタイミングと出たタイミングで決定することになります。上の記事の人でも、あと2年もっていれば倍になっているかもしれませんし、半分になっているかもしれません。

今決裁したからたまたまそういう利回りに換算されたに過ぎません。

「儲かることはない」というのは「決して儲からない」という意味ではありません。
「儲かることもあるけど損することもある」という意味です。

FXの性質を正しく理解した上でやる分に、文句はありませんが、上記の記事だけだとどう見てもFX本やFX会社の宣伝にしか見えないのは事実です。