老いぼれエンジニアには隠す爪がない

この時代に老いぼれを見たら、「生き残り」と思え…!

facebookの感情操作実験とベネッセの個人情報流出事件

Facebookによるユーザー感情操作実験の倫理性 - TechCrunch

母親ら憤りと不安の声 ベネッセ漏洩 :日本経済新聞

奇しくも同じようなタイミングで発覚した2つの事件。これを見て俺は「やっぱ彼の国(アメリカ)は進んでるなぁ」という印象を受けた。

個人情報の流出自体は、情報技術の発展がはじまった10年以上前から言われていることだ。俺の勤めていた大手製造業は、これを逆手にとって「セキュリティ商品」を大ヒットさせ、大儲けした。セキュリティ商品といっても今みたいにプライバシーマークとかがあった時代じゃないから、言ったもん勝ち。まあ、マイナスイオン商品みたいなもので、これこそまさに「企画の勝利」というべき商品であった。特に大した技術は使っていない。AESすら使ってなかったと思う(技術じゃなかったので詳細は知らんけど)。

個人的には(世界レベルでは)「個人情報が~」という時代は終わっていると思っている。個人情報が漏れるのが嫌な人は、今すぐインターネットやめれと思う。そして、すべての会社が情報技術に頼っている以上、そういう会社の商品も買うのは危険だ。

俺は十数年前メールアドレスをネットにさらしていたらスパムが死ぬほどいっぱい来るようになった。多くの人はメールアドレスを変更することで対応していた。NTTドコモですらメールアドレスを変える以外に対策がないとか堂々と言っていたくらいだ。しかし、へそ曲がりな俺はメールアドレスを変えたら負けだと思って決して変えなかった。そして、スパム業者を撲滅しようと最初は思った。しかし、それはほぼ不可能だということを悟った。そんなとき知人に紹介され、Gmailを使いだした。

結果、どうなったか。迷惑メールは自動的にベイジアンフィルタで取り除かれ、迷惑メールが来ても大丈夫になったのだ!そして、今もっとすごいことが起こった。迷惑メール自体がほぼ来なくなったのだ!どうやら敵も「もうこのアドレスには送っても無駄」と悟ったのだろう。

情報技術が悪に勝利したのだ。Google=神、と私は思っている(正確には、Google=神、と定義するといろいろ考えることが減って楽になる→本来自分が考えるべきことに集中できるようになり効率が上がる)。

なぜ俺がこのような対応をしたか。それは、大学時代に情報工学の先生に教えてもらった事実に基づいている。

その昔、ネットワークワーム(今でいうボット)がインターネット上で猛威をふるった。そして、2つの研究室が同じようにワームに感染してしまった。1つの研究室は、すべてのネットワーク機器の電源を遮断した。もう1つの研究室は、そのままにした。

果たして。そのままにした研究室のほうが早く復旧することに成功したというのだ!ネットワークを遮断した研究室には、ワーム対策の情報が届くこともなかったから、である。

俺は「個人情報保護法」は古いと思う。日本というムラ社会ゆえにこんなしょうもない法律があるんだろうが、個人情報なんてもうダダ漏れなんだ。福島第一原発の放射能と一緒だ。行政が「漏れてない」と言い張っているだけで現実には漏れ漏れ。個人情報もデジタル化した時点で同じことなんだ。

だから、大事なのは「情報が決して漏れない」システムを作ることじゃない。なぜならそれは不可能だからだ。大事なのは「情報が漏れても大したことねー!」といえるシステムを作ることなんだよ。(ハッシュ化してブロックごとに暗号鍵変えるとか、まあ俺の頭じゃ大したこと思いつかねーけど)。

facebookは実名制で、個人情報が漏れてもかまいませんという誓約のもとに利用を許されるシステムだ。そのプラットフォームでもしかしたら大統領選を左右できるかもしれない実験が行われているんだZe!

まだ流出情報の被害すら対して出ていないベネッセ事件で大騒ぎしているという我が国とはレベルが違う。

ちょっとした手術(人間ドッグですら!)「死んでもかまいません」という誓約書にサインをさせられる。「個人情報漏れても仕方ありません」というのにサインさえすれば、とても便利なシステムが使える、それはそれでアリなんじゃないか?

利便を享受している以上リスクは免れない。

個人情報が「漏れなくて当然」と思っている利用者は、ちょっと考えを改めるべきではないのか。

うちもベネッセ使ってるけど1000円の金券くれたら許しますよ。あのシブチンのYahoo!ですら500円くれたんだZe!