STAP細胞:「あることを示す証拠はない」若山教授 - 毎日新聞
もはやコント化してしまっているSTAP細胞話。
お笑いのジョークネタにするのもそろそろ解禁でしょうか?
しかし、共犯といってもいい人がこんなウヤムヤなことしか言ってないのに、追い詰めることができない。
誰か「STAP細胞なんて無いのだ」ということを立証しさえすれば、無駄な論争もなくなるというのに、なぜ誰も立証しないのだ?と思っている、一般人もたくさんいることでしょう。結論から言うと、この立証は不可能です。どのような命題であれ、無いことを証明することは、不可能なんです。
これは、まともな科学者なら誰でも知っていることで「悪魔の証明」といわれる命題です。
ホメオパシーがメタアナリシスで効かないと証明されたと吹聴していた医者がいましたが、あれは大嘘です。正確には、証明されたのは「ホメオパシーはどうやら効かないらしい」というところまでで、「効かない」と断言はできません。
同じように、STAP細胞も99.9%「存在しないらしい」というところまで追い込むことができても、「存在しない」と言い切ることは不可能なのです。
最近IT業界ではベイズ統計学という統計学が人気です。
簡単に言うと、「無限の試行に基づいているのが従来の統計学、有限の試行に基づいているのがベイズ統計学」です。
たとえば、私が東大に受かる可能性は、「受かる」か「落ちる」かのどちらかだから、50%だ!というギャグが、高3のときに流行りました。これをギャグではなく大真面目に理論にしたのがベイズ統計学です。
大勢の受験生の中で自分の成績がどのくらいだからどのくらいだと推定する模試の判定は、なぜ間違っているのか?それは、そのモデル化のとおりの結果が出ると仮定しているから間違っている(正確には間違いうる)のです。
わかりやすく言えば、当日の入試問題は今受けている模試とは違う試験が出るんだから、それで推定なんかできやしねーって話です。
ベイズ統計学ではそういう間違いの入り込む可能性があるモデル化をしないので、入力に対し素直な出力が得られます。有限計算量で有用な結果を導き出せる手法です。結果、Googleのサジェスト機能のような、従来の常識では考えられなかったような機能が実現されました。
結局のとこ、「結果」なんて永久に出ねーってことなんですよ。
「現在」がいつまでも連鎖している(マルコフ連鎖)。「明日」も「未来」も無い。ずっと「今」。それが人生です。STAP細胞があろうが無かろうが、ホメオパシーが効こうが効くまいが、どっちでもいーんですよ。
明日、私が生きている可能性も「生きている」か「死んでいる」かの50%なのだから。だから、今の自分の時間は、自分が楽しい生まれて来てよかったと思えることにのみ使えばいいんです。
ホメオパシーの否定も、STAP細胞の否定も、何のトクにもなりません。
なぜなら、人間の生きる時間は有限だからなのです。