老いぼれエンジニアには隠す爪がない

この時代に老いぼれを見たら、「生き残り」と思え…!

ITフリーランスの法人化について

固定ツイートで公開しているネタではあるのですが、いまいちまとまりに欠けるのでブログ記事にまとめてみます。

法人と個人事業の違い

それぞれメリット/デメリットがあります。

個人事業主

メリット

  • 開業届を出すだけですぐになれる。コストが掛からない。廃業も簡単。
  • 赤字の場合は税金を全く取られない。
  • 青色申告をすることで税金の控除を受けられる。
  • 家族を青色事業専従者として給与を支払い、節税効果を得られる。

デメリット

  • 社会的信用が弱い(ITフリーランスにおいては、この点はさほどデメリットにはなりませんが、お金を借りたりと言ったことはしづらい)
  • 経費に認められる範囲が狭い。
  • 税務署に目をつけられやすい。法人でも、確定申告が適当なら当然目をつけられますが、絶対数として「ずさんな個人事業主」のほうが圧倒的に多いため、売上が高すぎたり経費が多すぎたりした場合に目をつけられやすいです。
  • 国民健康保険/国民年金に入らなければならない。(保険料が各種保険の中で最悪レベルのコスパであるため)
法人

メリット

  • 経費に認められる範囲が広い。例えば、個人事業では一人の飲食を経費に計上することはできませんが、法人だと可能になります。ただし、出張時の待ち合わせ時のコーヒー代など、妥当な費用に限られます。個人事業主の場合、出張時の待ち合わせのコーヒー代を経費にすることはできません。
  • 役員報酬を支払うことで、協会けんぽ/厚生年金に加入できます。保険料は決して安くはありませんが、国民健康保険のように「所得・家族のそれぞれに対して」ではなく「役員報酬に対して」決まるため、役員報酬を調整することで安く抑えることが可能になります。(会社にお金を残しすぎると法人税が高くなるので、総合的に判断が必要ですが)。また、専業主婦、扶養家族がいても保険料は変わりません(特に専業主婦/16歳未満の子がいる世帯には有利です)。
  • 社会的信用がある。金融公庫などから資金を引っ張ってくるには、個人事業主では無理です。もっとも、ITフリーランスの場合それほど資金は必要ありませんので、この部分のメリットについては私自身はあまり感じていません。
  • 自治体にもよりますが、法人ならではの助成金などを受けられることがある。うちの場合はあまり活用していませんが、1回だけコロナ助成金で20万円ほどいただき、業務用のパソコン購入費用に充てました。

デメリット

  • 事務処理がべらぼうに面倒くさい、というかおそらく一般的な会社員では処理しきれないレベルです。専門家の領域。うちには元凄腕経理マンがいるので会計絡みを全部内製できていますが、税理士事務所に頼むと数十万/年くらいかかるらしいです。うちはお願いしたことないので知りません。ITエンジニアかつ経理のスキルもある人なら一人二役できるのかもしれません…(しんどそうなので自分ならやらないだろう)。
  • 赤字でも法人地方税を7万円ほど、毎年取られます(看板代、ショバ代みたいなものらしい)。
  • 課税事業所の場合、赤字でも消費税をがっぽり取られます。(今年度から)最もこれは個人事業主でも同じはずですが。
  • 会社をたたむのは会社を作るよりよほど大変らしいです。こればかりはやったことがないので私はまだ知りませんが…。たたむのが面倒すぎるので、毎年7万円払って休眠させている会社も多くあるようです。

ひとまず、概要としては以上くらいだと思います。